INSPIRATION

We won first prize in the liveable office award 2015 of Herman Miller.

2016.08.05 UP DATE



ハーマンミラー アジアパシフィック主催のリバブルオフィス賞にてコマーシャルビジネス部門で優勝いたしました。

また、ピープルズチョイス賞もいただき、ダブル受賞となりました。
お客様の要望をクオリティ高く実現する為に、企業ビジョンを共有し、ディスカッションを続けながらデザインを行いました。働き方やデザインについて何度も話し合い、妥協をせずに提案を続けた結果、信頼関係がうまれ、このようなオフィスを作り上げる事ができたと考えています。
今回審査員の方々に評価していただいたこの空間を作る時に意識していたポイントの引き算のデザインについてちょっと書いてみました。


海外でスタートアップ系の企業が倉庫を改装してオフィスをつくりその後会社が大きくなっても倉庫感のある場所で当時の感覚を残しながら、オフィスをつくっているというのは、もちろん環境もそうなのですが、ストーリーがそこにあるからこそ良いと思うのです。日本の企業がオフィスビルの中でこのような空間をつくろうとしてもなかなかうまくいかない。ハリボテ感や偽物感が出てしまい、ストーリー性もないわけで。この手のデザインを日本でやるには素材や色の使い方に細心の注意が必要だと常に考えていました。

ドーナツのオフィスも最初は、お客さんのやりたいことがそのテイストだったのですが、単純にそのものをつくるのではなく時間をかけてイメージ整理をしていき、求めている物はブリックタイルのような素材感ではなく、鉄とコンクリートなどのものづくりの場である「工場」のような質感だという共通認識を持ちました。そこでいかに無骨な素材感を引きたたせるかが空間を構成する一つの答えなんではないかと思い、そこにはハリボテ感が少しでもあると全体の統一が崩れると考え「全て本物の質感でつくりきる」を裏テーマにしました。
ボードを剥がしたままのあえて綺麗ではないスケルトン天井、OAフロアを剥がしただけのスラブ床などそこにずっとあったものの経年劣化がプラスされた素材感に対し、新しくたてる壁は意匠をもらず引き算の手法で極力ミニマムにフラットにこだわり、無骨な素材感を引き立たせながらも今の建築にもよりそう空間に、オフィス全体張ったフローリングも無垢材をベースに微妙ないろのフローリングをmixすることでしっくりくるようにしました。
家具のトーンマテリアルも全てコントロールしつつも、新しいものだけではなく中古をうまく混ぜていきました。もともと持っていた家具はコーディネートしなおし、色を変えたりなどして利用しています。そして、長い眼で見てサスティナビリティにも考慮し、新規購入する家具はデザイン価値のあるものを、ここでも引き算のデザインを意識し、素材感がありデザインもシンプルだけど存在感があるものをチョイスしていきコーディネートしていきました。
エントランスに配置したコンテナは10tトラックの荷台を加工してもってきました。中はミーティングも行えるスペースになっていて、まさにこの質感にこだわったオフィスを象徴するスペースです。








WROTE: Yumika Yoshida(Designer)

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